緑のブログ

コケリング

二年ほど前のことです。

公園を散歩していた時、おもしろいものを発見しました。

樹木の樹皮に、「みどりのまる」が見えました。

 

ちょうど人生の岐路にあった頃でしたから、

「この道で正解だったのか、良かった!」

と、都合よく考えてみました。

よくよく近づいてさわってみると、ふさふさとした感触があり

コケであることがわかりました。ふむ

でも…なぜ、ここに?

しかも、まん丸〇のかたち…?

 

このコケの胞子がどんな風に樹木の樹皮に着地したのか

どこからきたのか、どのように生きているのか興味が湧いてきたので

今後の経過を観察してみることにしました。(つづく)

 

数か月が経ち、2020年の夏に

もう一度確認してきたところ、

2020.7月

コケリングの下側が、すこし欠けてきてました…。

「あれ?選択が正解ではなかったとか?そんな」などと肩をおとしていたら

コケリングの生えている樹木の様子が

以前とは全く変わってしまったことに気が付きました。以前はもっとふさふさ葉っぱがありましたが、

 

←どうやら極端な強剪定を受けてしまったようです。

コケは〇を示していますが、樹木のほうは、✖の状態でした。

落葉樹のニワウルシ(シンジュ)が

この姿のまま、真夏の暑さに耐え忍ばざる得ない状況で

コケと共に、今後の直射日光への対応力低下が非常に心配になりました。

(樹体内の通水移動低下と光合成生産力の低下)

 

無事に夏を越えて、冬季に何もされなければ良いけれど

また、春~夏に強い剪定を受けてしまった場合…、さらに弱らせ

このニワウルシにとって致命傷になりかねない状況であると感じました。

 

このようなニワウルシの樹皮では、コケや地衣が逞しく生育し

コケにはコケたちの世界の競争模様が見えたように感じられました。

 

しばらく雨水を受けてないようで、乾燥して

硬く身を守っていました。コケリングは、セン類のギンゴケのように見えました。

この公園に雨が降るころ、このコケリングも雨水で柔らかくなり、

鮮やかなみどり色の戻るのかしら。

はやく雨が降らないかしら。

そんなことを想像しながら、ピンオークのドングリをひろって

散歩をつづけました。(つづく)

 

更に2020年7月から半年が経ったころ…

再び経過を観察にいきました。

今は、1月の落葉期なので、上はとても寂しい様子。

もうこれ以上の剪定は受けなければ良いとおもうのだけれど。

その下をみますと、

 

ありました!

まだ完全には枯れておらず、眼科健診の下向きのCのようにみえました。

「足元をみて、すすむべし!」とおみくじを引いた気分です。

 

コケリングを良くみると少し剥がれかけていました。

もっと時間が経過すると、もしかしたら脱落してしまうのかしら?

そして、さらにコケリングの周囲には

ウメノキゴケのような地衣類やヒナノハイゴケなどのセン類も着生しておりコケ仲間が増えていました。

よくよく観察してみれば、このニワウルシは、北西方面に樹体が傾倒していたことから

コケや地衣が着生できる環境になっていたのだと感じました。

雨の日は、きっとこの場所に樹幹流がよく流れているのだろうと

雨の日のイメージが湧いてきました!

この次の観察は、雨の日に来てみることにします。(つづく)

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