緑のブログ

グラハム・トーマス

 

以前の話ですが、

 

とあるお客様のお庭は、お庭というよりも森林のように 植物が多様でした。

その中でも際立っていた植物は、椨(タブノキ)でした。

その太い根で大地をガッシリつかみ、太陽の恵みを一身に受け、

そのかわり強風も大雨も降雪もその大きな体で受けてとめ、

周囲の多様な生き物たちを守りながら生き続けていました。

 

休憩のときは、そのタブノキを観察しながらクスノキ科であることや、

クスノキ科であることから美しい蝶のアオスジアゲハが

子孫繁栄のために舞い降りることも学びました。

 

樹木医を目指しながら仕事に励んでいる頃、

椨の木のお客様に、グラハム・トーマスの挿し木苗をいただきました。

この時にバラの名前もおしえていただきました。

グラハム・トーマスは、イングリッシュローズを代表する名花です。

はじめは山吹色で、じょじょにクリームをまぜたように白い色に変化して、

すっきりとしたとても良い香りがします。

 

冒頭の写真のお花が「グラハム・トーマス」です。

この挿し木苗と一年、二年、三年と一緒に生活する中で、

樹木の挿し木の良い点と、そして弱点とを学びました。

 

このほかにも、種から発芽した芙蓉、キングサリ、アナベルの挿し木

         

 

マイナーフェアー、ピエールドゥロンサール、センセーショナルファンタジー

    

等など、 お手入れにうかがうたびに、美しい植物たちを分けていただきました。

 

このときの経験があったから、バラの名前に興味を持ち

樹木医試験の勉強時にとても前向きに取り組めたのだろうと

わたしのなかで強い記憶として残っています。

 

毎年、このグラハム・トーマスが咲く頃に、黄色いはなびらの奥に鼻を近づけて

すーっと嗅ぐと、その頃を思い出して自然と感謝の気持ちが沸き上がります。

 

今年も無事に、グラハム・トーマスが咲きました。

本当に、いつもありがとうございます。

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