緑のブログ

樹木医剪定

(ナラ枯れ被害木*環孔材)

 

先日、一般社団法人いばらき樹木医会の研修に参加してきました。

そこでは、樹勢回復のための剪定技術とはどのようなものか?

という着眼点から「樹木医剪定」と題してコンサービング剪定を提唱する

笹部雄作氏に講師として現地でデモンストレーションを実施していただきました。

 

 

 

樹木医剪定デモンストレーションを実施した樹木環境

 

 

某市所有の駐車場に接するサクラの腐朽枯損木部位を切除し・同時に駐車場方面へ

成長しようとする若いいきいきとした成長枝について、どの位置で切り戻しを実施するか、

 

 

 

または、駐車場の利用を控え樹木の成長を優先するのか、

 

 

 

 

 

 

 

その土地環境の樹木の生育状況・樹木の地域での愛着の状態・某市の駐車場利用頻度の状況・

樹木と人との距離および優先度などを総合的に勘案して…

 

 

たいていの場合、人の利益が優先されることが多く、今回も駐車場の利用に

重きを置く処置となりました。

 

(樹皮に張りのある若くいきいきした成長枝)

 

 

 

 

よく言われるのが、サクラの樹勢回復には、青森県弘前公園の染井吉野の剪定管理方法の

弘前方式です。

 

サクラが老齢化する前の早い段階で、樹高を切り戻して・そこから発生する若い細胞に

次世代をつなぐ剪定方法。

 

(南側根部にナラタケモドキの被害があったと樹木診断表に記載)

サクラの樹勢回復には、弘前方式が一番良いことには間違いないのですが、

その方法をとるには、まずそのサクラが地域の住民の方に愛されていること、

(つねに気にかけている人間がいる・根本周辺を踏圧保護対策されている等)がまず第一で。

 

 

さらに気候条件が弘前市と近いこと。

 

(南側方面に建物がないことで一日中日照と風を受ける環境)

最後に、

定期的に潅水とツボ肥などの施肥を行える環境であること等サポート体制が整っていること。

 

 

(チャアナタケモドキの子実体が発生している幹腐朽部)

 

 

 

樹木の生育に良い剪定方法は、既にわかっていても…

 

処置する樹木医によって、

 

剪定位置・処置方法はバラバラなのが現段階なのかなと、樹木医各々の意見を聞き実感しました。

 

 

 

最終的には、

当該地域の地方公共団体や所有者と樹木など

双方の価値を天秤にかけて、

重く傾いた方面に生きる光が当てられるのが

日本植栽樹木の現状です。

 

 

今回の研修では、茨城県支部の関さんが

身を削って、自身の樹木診断票を研修用で公開してくださったので

過去の当該樹木と現在の当該樹木の状況が比較でき

環境の変化と樹木の樹勢の推移が観測できました。

とても勇気のあるかつ後継樹木医を成長させてくれる冒険的な研修でした。

 

いろいろ勉強になりました。

 

どうもありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

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