緑のブログ
オニシバリ(ナツボウズ)のいきかた
木には、冬に葉をおとす木と、一年中葉がついている木があります。
日本の場合、一年通して葉がついている木が常緑樹、
葉を落とす木が落葉樹と呼ばれます。
落葉樹が落葉しているときは、葉で光合成することはできません。
光合成していないので、葉から水分が出ていきません。
寒く乾燥した冬は、植物の生長に適していない季節なので
落葉する樹木は、成長を休めて休眠することにしました。
日本で普通、落葉樹といえばカエデやサクラのように、
冬に葉を落とし春から秋まで葉を付けている木を思い浮かべますが
なかには
冬に葉をつけて夏に落葉する樹木もいます。
それが、オニシバリという樹木。
夏に葉を落とす姿から 別名ナツボウズとよばれています。
では、なぜ太陽光が燦燦と照る夏に葉をおとすのか?
この樹木が、落葉高木が茂る山や林の中で点在する 「低木」だからです。
オニシバリは、夏の期間は周囲の高木に太陽光をとられてしまい
背伸びの競争で争うと負けてしまうとわかっていました。
(自然界では、↑このような環境の中、光の獲得競争をしているのです)
そのため、林内が暗くなる夏には葉を落として無駄な争いを避けて
おやすみ期間にはいるのです。
そして、秋にサクラやカエデやミズナラなど落葉樹の葉が
落ちはじめ林内が明るくなってきたら、
「待ってました!」と葉をつけて光合成を開始するのです。
「低木」のオニシバリは、背が低いため強風にさらされることもなく
林床にふりそそぐ日差しを浴びて2月頃、ジンチョウゲに似た花を咲かせます。
周囲と同じように自分に無理を強いて生きなくても、
「自分なりのやり方」で自分独自の生き方ができるのです。
このオニシバリは、そのことをおしえてくれる「自然界の大先輩」。
樹皮の繊維がとても強く
「 鬼も縛れる 」の意味からオニシバリと呼ばれています。
樹木の世界には、樹木の世界の生き方があります。
そのことを教えてくれるのが以下の写真です。
このような世界の中でも「生き方は、それぞれ」と
オニシバリは、オニシバリだけの独特な生き方を指し示してくれています。
その生き物にはその生き物の
その人にはその人の十人十色の生き方があるということではないでしょうか。
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